摘つまみ食ぐふ
駄だ菓が子しの小こ麦むぎ
粉こな々ごなに
所あら有ゆる所ところ
塵ちりと散ちりけり


現代語訳

つまみ食いした駄菓子の小麦粉が、ぽろぽろと砕け落ちて、
あちらこちらに塵のように散ってしまったことよ。


ことばがき

お菓子って美味しいのですが、机のあちこちに粉がこぼれて厄介です。


勉強・雑談

  • 所有:「あらゆる」をあえてこう表記したのは、このことばの(そして「いわゆる」の)成り立ちを知って感動したからです。
    • 私はずっと、なぜ「所謂」を「いわゆる」と読むのかとても気になっていました。それは「言ふ」の未然形「言は」+受け身・可能・自発などの助動詞「ゆ」の連体形「ゆる」であり、すなわち今の「言われる」だったのです。そして、「所謂」という表記は、なんていうか、漢文の訓読みたいなものだと分かりました。
    • 「あらゆる」も全く同じく、「あり」→未然形「あら」+「ゆる」だったのです。なんという驚き! そう、だから「あらゆる」ものって結局「すべての」ものだったわけです。
  • 塵と散りけり:ここの「けり」もまた、詠嘆の意味です。「散る」の連用形である「散り」に付いています。ちなみに、「塵ちり」と「散ちり」の駄洒落も狙いの一つでした。