今夜てふ
町を照らしし
かの酒屋
名こそ哀れに
昨夜も越えね
現代語訳
この町を照らしていた「今夜」という名前のあの居酒屋よ。
その名前がなんとも皮肉で、昨夜すら越えられず店を畳んでしまった。
ことばがき
雰囲気のいい居酒屋が新しく近所にできたとき、街の発展につながると心から喜んだものです。しかし、結局持ちこたえられずに閉店してしまいました。うちの街はこんな素敵なお店一軒すら支えられないのかと、少し腹立たしくもなりました。
勉強・雑談
- てふ:「と言ふ」が変化した言葉だそうです。読み方は「ちょう」! これはまるで今「という」を軽く「っつう」と縮めるような感じかも知れませんね。この「てふ」てふ古語の表現や発音も、「超」好きです。
春すぎて
夏来にけらし
白妙の
衣ほすてふ
天の香具山
恋すてふ
我が名はまだき
立ちにけり
人知れずこそ
思ひそめしか
- 名こそ…越えね:係助詞「こそ」と已然形の結びです。私が狙ったのは「越えず」、つまり打消しの助動詞「ず」の已然形である「ね」でした。文法はさておき、これってちゃんと意味は通じるのでしょうか。